1.干物

小説
干物は何で干物にされたんだろう。

ただでさえ、もっと生きるつもりだったところを捕まって、捌かれて、食べられるんだろうに。その上干されるとは、相当不憫なやつだ。

あまりに不憫だから、僕はウチの庭に干物のお墓を作った。

「干物、ここに眠る」

簡単ではあるけれど、これで少しは浮かばれるな。満足した僕はぐっすり寝た。

----2000年後----

リポーター「およそ2000年前の古代文明、[セタガヤ]の扉式住居の庭園から、古代人のものと思われるミイラが発見されました。尚、この小さく、開かれた体でどの様な生活をしていたのかは、まだ謎が多く…」

あとがき

夕食を埋めてしまった彼はこっぴどく怒られたことでしょう。

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